Processingがどの現場で使われているのか?
はじめに
私が通う大学では、一年生のときにProcessingという言語を学びます。それゆえに、周り友人はこぞってProcessingでたくさん作っています。あるときその友人の一人が、現役エンジニアの方とお話しする機会があり、そのときに「Processingはあまり企業で使われない」と言われたそうです。この話を聞くと、「就職に関係ないから勉強しても意味がない」と思う方がいますが、そう考えるのはまだ早いです。なぜならProcessingに需要がある分野がきちんとあるからです 。今回は、そんなProcessingがどのような場所で使われているか紹介したいと思います。
Processingが使われている場所
教育
Processingはプログラミングの基礎を教えるのに役立つように作られています。
実際、公式サイトにも It is created to teach fundamentals of computer programming within a visual context and to serve as a software sketchbook and professional production tool.
と書いてあります。
Processingは簡単なコードでしかもライブラリなしで描画ができるため、プログラミングやったことない人でもお絵描きやゲーム作成ができます。だからプログラミング初心者は楽しみながら学ぶことができます。その中で「実はfor文というのが便利で……」、「関数っていうのがあってね……」、「クラスって便利だよ……」と教えていくと、すんなりとプログラミングの文法やオブジェクト指向の基礎が身につくのです。
研究
さきほどの話を聞いて「じゃあ、自分はもうプログラミングできるから必要ない」と思った方はちょっと待ってください。Processingはインタラクションデザインやインターフェースデザインといった分野でプロトタイプ(試作品)作成に使われています。たとえばProcessingをプロトタイプに活用した研究に以下のようなものがあります。
例
この3つのうち上の2つはエンタテインメントコンピューティングシンポジウムという学会で発表されたものです。
ProcessingはOpenCVを使った画像処理やMinimというライブラリを使った音声処理ができます。
さらにArduinoやKinectといったツールとの連帯も可能です。
他にもProcessing..jsというJavaScriptのライブラリを使えばWeb上でProcessingで作った作品を公開することができますし、Processing for AndroidというツールでAndroidアプリを作成することもできます。
このように、Processingは簡単なコードで様々なことができるので、プロトタイプを作るのに適しているのです。
最後に
Processingには様々な活用法があり、すぐに作りたいものができるという利点があります。クオリティや精度を求めるアプリを作成するには向いていないかもしれませんが、それが必要ないならProcessingでさくっと作ってしまうのがお得です。